セミナー

角丸四角形:  第1回 セミナー

日時

2009417日(金)16:10-17:30

場所

静岡大学 理学部 B202号室

講師

大林 武 博士

 

東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター

演題

遺伝子共発現データベースATTED-II, COXPRESdbを利用した遺伝子機能推定法

 

 

 1995年にマイクロアレイ技術が世に発表されて以来、この分野の技術革新は著しい。集積化により遺伝子の網羅性は上がり、ノイズの抑制によって感度や再現性が向上した。そしてこれらのデータを蓄積する公共のデータベースも整備されており、近年になって精度の良いデータが大量に蓄積するようになった。これらの公共のデータベースに登録された大量のマイクロアレイデータを用いて、遺伝子発現パターンの相同性を定義することができる。注目している遺伝子と発現パターンが相同な遺伝子のことを共発現遺伝子(coexpressed gene)と呼び、機能的相関を期待することができるため、共発現遺伝子を表示するデータベース(共発現データベース)は近年特にモデル植物のシロイヌナズナで盛んに利用されている。我々はこれまでに植物研究者向けのATTED-II、動物研究者向けのCOXPRESdbを公開し、現在も開発を続けている。

 

 共発現ネットワークの例を挙げる。図はヒトやマウスのArp2/3複合体の構成要素の一つであるACTR3の周辺共発現ネットワークである。同じく複合体の構成要素であるACTR2, ARPC2,3,5と強く共発現をしている。線が赤くなっているのはタンパク質感相互作用の報告があること示している。また、アクチン両端をキャップするタンパク質であるTMOD3CAPZA1も共発現しており、線がオレンジになっているのは、この共発現がマウスに於いても保存していることを示している。このような共発現ネットワークから注目する遺伝子の機能パートナーを探すことが可能になる。